この前の週末に、3日間かけて、日本一巨大な私鉄「近鉄」(近畿日本鉄道)に全線乗りつつ、沿線をちょこちょこ観光してきたときの話を書こうと思います(全4回/3回目)。
SFの世界のようなPLタワー
3日目、日曜日。朝から快晴。きのう愛知・三重の路線に乗っておいたので、後は大阪から南東方面に向かう路線に少し乗れば全線乗車したことになる。
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6時過ぎに新今宮の宿をチェックアウト。JRにひと駅乗って天王寺駅へ。すぐ隣の近鉄南大阪線のターミナル「阿部野橋駅」から今日はスタート。
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河内長野行きの準急電車に乗って30分ほど。富田林(とんだばやし)西口駅で途中下車。この街に、僕がずっと見てみたかった景色がある。
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駅から歩いて10分弱、国道を渡る歩道橋の上へ。
住宅地の背後に、小さい子供が紙粘土で作ったようなデザインの巨大な塔が聳え立つ。 これはパーフェクトリバティー教団(PL教)の宗教施設、 「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔(通称「PLタワー」)」。 1970年に完成、高さは180メートル。実際に現地で見ると、かなりインパクトがある光景だった。 早朝に行ったのは、塔を順光で撮影するため。あと、人通りが多いとなかなかカメラを構えにくいというのもある。しっかり写真に収めてきた。 塔の土台の部分は資料館(?)みたいになっていて、信者か否かにかかわらず見学できるらしいので、機会があればそのうち見に行きたい。
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駅に戻り、近鉄長野線の終点河内長野駅まで乗って、古市駅まで引き返してから南大阪線で奈良との府県境を超えて、尺土駅へ。
御所(ごせ)市街地散策
尺土駅で御所(ごせ)線に乗り換える。電車は2両で、のどかなローカル線の雰囲気。9時ごろ終点の近鉄御所駅に到着。 さて、御所といえば「全国水平社」発祥の地。 あとは、「風の森」をはじめとした、 葛城山地由来の水と気候に恵まれた日本酒の銘醸地のイメージがある。今日は時間があるので、駅の周りをちょっと散歩してみる。
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タイムスリップしたかのようなアーケード街が残っていた。エモい。アーケードを挟んで駅と反対側の酒屋さん (東川酒店)で、地酒「篠峯」のカップ酒を購入して駅に戻る。
藤井寺 豪打いてまえ猛牛遺産
尺土駅から急行と準急を乗り継ぎつつ大阪府内へ戻って、藤井寺(ふじいでら)駅で下車。とりあえずお腹が空いていたので、駅前の松屋で牛皿定食を食す。
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かつて、ここ藤井寺にはプロ野球の球団の本拠地があった。前回の記事でも話題に出した「近鉄バファローズ」の藤井寺球場である。
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駅からほど近い球場跡地は、現在は学校敷地になっているのだけれど、ちゃんと記念碑が建てられている。
僕は昨シーズンからオリックス・バファローズを贔屓にしている。 「ミーハーなチョイスをしやがって…」と顔をしかめられてもしょうがないかな、と自分でも少しは思っているけれど、 僕がオリックスを気に入った大きな理由として、選手の応援歌が本当によく作り込まれていて、メロディーも美しいものが多いからというのがある。 オリックスの応援団は近鉄由来で、今も、近鉄時代に作られ使われてきた応援歌がオリックスの現役選手にたくさん流用されている。 ということで(?)、僕はなかば「近鉄応援団」のファンのつもり。球団が残っていたら近鉄ファンになっていただろうな、と思います。
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駅のすぐ近くの葛井寺(寺院)へ。咲き始めくらいの藤棚の花を横目に、境内の片隅にある近鉄球団の遺産を見に行く。
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スコアボード。もとは駅に置いてあったものだろうか。近鉄球団の貴重な生き証人として、野晒しにせずにせめてどこか屋根のあるところで保管できないものなのだろうかと思った。
全線完乗まであと一息。ラストは、藤井寺駅の2つ東隣の道明寺駅から北に伸びる道明寺線。JRと接続する終点の柏原駅に11時ごろに到着し、無事、3日間で500km乗り切った。
野球観戦、帰宅
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柏原駅からJRに乗って30分ほど。大阪環状線の大正駅で降りて京セラドームへ。 13時開始の近てt…もとい、オリックス・バファローズ対北海道日本ハムファイターズの観戦をもって打ち上げに代えさせていただきます。 オリックスの先発は新加入の外国人ジェイコブ・ニックス。来日初登板です。
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試合開始から8分、ニックスは1アウトを取るよりも先に3ランとソロを1本ずつ浴びて4点を失いました。一同唖然。
FA新加入の森友哉選手を中心に頑張って反撃していましたが、あまり打線が噛み合わず、結局2対7で負け。序盤から負け試合の雰囲気が濃厚に漂っていて、 なんだかなぁ、という感じでした。でもまぁ、京セラドームで近鉄応援団のライブを聴けたということで、その点では満足です。 日ハムなら勝てると思ったのだけれど…
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天保山と大阪駅を結ぶ市バスが京セラドームの脇を通っていて、混み合う電車を避けて景色を見ながら梅田方面に抜けられるため、時間に余裕がある時はオススメです(裏技)。
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大阪駅から地元に戻る特急列車まではまだ時間があったので、梅田阪神百貨店の地下の551蓬莱で、豚まん弁当を拵えてもらった。食べつつ飲みつつ帰宅。 乗り鉄として非常に充実した3日間でした。
2023.04.30