沼津日記

沼津日記

1日目(土曜日)晴一時雨

 土日の2日間を使って、大学時代にお世話になった先輩を訪ねて、静岡県の沼津(ぬまづ)へ行ってきました。沼津は静岡県では静岡・浜松に次ぐ第3の都市で、県東部の中心地です。むかし住んでいた東京から行きやすかったので、(ラブライバーの友人に連れられるなどして)何度か足を運んだことがありますが、ご飯も美味しいし景色も良いし(長井崎のあたりから海越しに見る富士山のスケールのデカさが良い)、好きな街のひとつです。

 山岡家の朝ラーメンで腹ごしらえして、10時に福井県の武生ICを出発。米原JCTから名神高速を東へ。愛知県の一宮付近で、8キロ1時間の結構な渋滞に巻き込まれるも、豊田からの新東名は順調に流れており、15時過ぎに駿河湾沼津SAで高速を出て、茶畑の広がる富士の裾野の転げ落ちそうな急坂を下り、16時ごろ沼津駅で先輩と待ち合わせ。そのまま市街地を南へ抜けて海沿いをドライブ。右手に沼津湾、左手にミカン畑を眺めながら、長井崎のあたり(ラブライブ!サンシャイン!!の学校のモデルがあるところ)でクルマを降りて、あいにく富士山は見えなかったけれども、浜辺で一息ついてから街へ戻ると17時。駐車場に車を置いて、街へ繰り出す。今夜は、沼津の数多の名店を熟知する先輩にあちこちご案内していただけるということで、心待ちにしていたのでした。

 1軒目は松浦酒店さんの角打ち。店の前に出されたテーブルで、初夏の夕方の涼しい風を浴びながら地ビール(ベアードビールのラガー)で乾杯。朝からの運転で疲れた身体に染み渡る旨さ。飲みやすい一方で、丁寧な造りを感じさせる香ばしさがあった、とか言いつつも、僕はビールはニワカです…(日本酒党)

 18時半ごろ、2軒目の「Public Bar SMOKE」さんへ。程よく薄暗く、壁に整然と酒瓶が並ぶ店内は、まさしく「オーセンティックバー」の雰囲気。こういったお店で飲む機会は中々ないもので、少し身構えたのですが、気さくな店員さんと和やかに話す先輩(常連さん)の姿を横目に1杯目を飲み干したら緊張も完全に解けていました。お酒は色々飲みましたが、1杯目に先輩がセレクトした柿田川ブリューイング(これも沼津の地ビール)の「クリームラガー」が強烈でした(賛辞)。ビールなのに生クリームを思わせるような風味があってこれいかに。個性的な味でしたが僕は好きです。また飲みたい(お土産に買わなかったことを後悔している)。SMOKEという店名のとおり、名物は燻製ということで、牡蠣の燻製は絶品だったし、そのほかピザもカレーも唐揚げも生ハムもなんでも美味しかったです。

 20時半に3軒目の「Bar Noise」さんへ。デザート代わりのフルーツカクテルで杯を重ねる。「シースカウト」という、沼津の青いご当地カクテルもいただきました。他の同じくらいの街と比べても沼津は有意にバーが多くて(「Barの街」とまで呼ばれている)、しかも全体的にレベルが高く(コスパ面でも)、それには戦前に保養地・別荘地として名を馳せた頃に端を発する洋酒を嗜む土壌があるのではないか、と、沼津のバー文化に心酔する先輩の熱い語りを聞き、僕はすっかりできあがって「沼津って大学ないんすか、酔って店でバカ騒ぎするサル学生から守られてるってことじゃないすか笑」などと不躾な見解を述べるなどして、気持ちよく飲んでいるうちに外は大雨になっており、21時半ごろタクシーで店を後にし、市内の先輩のお宅に泊めていただきました。 

2日目(日曜日)曇のち雨

 朝は気持ちよく晴れていたので、街へ出て、沼津港まで散歩して朝食を食べました。「むすび屋」さんの干物の朝定食。サバやアジなど数種類から選べたので、せっかくなので日本海側ではなかなか見ないムロアジにしてみました。たっぶり脂が乗っていて美味しかったです。

 クルマに乗って再び長井崎の方へ。晴れていれば海越しに富士山が見える「らららサンビーチ」でクルマの写真を撮ってみるなど。その後、近くの有名店「やま弥」さんの鯛丼をいただきました。昨日からこんなに美味しいものを食べ続けていて大丈夫なのだろうか…

 午後はあいにくの雨になってしまったけれど、14時キックオフのサッカーJ3の試合(沼津対富山戦)を先輩と観戦。試合会場の沼津のホームグラウンドの愛鷹山競技場は沼津市の北の外れ、富士の裾野を結構登った山の中にあって、アクセスにやや難ありの感は否めなさそうでしたが、とはいえ、さすがサッカー王国静岡と言われるだけあって、お客さんはそれなりに入っていました。先輩は沼津、僕は富山のサポーターなのだけれど、野球でいう3塁側みたいな両方のファンが入れる席は用意されておらず(需要はあると思うのだけど…)、揃って沼津の応援席から観戦(僕も1日限定沼津サポと化していました)。試合は1-0で沼津の勝ち。

 2日間お世話になった先輩を市内のご自宅までお送りし、雨上がりの高速道路を西へひた走り、ところどころ休憩しながら日付が変わるくらいに福井に到着。お土産は、松浦酒店で買った日本酒「津島屋」の純米吟醸雄町と、「のっぽパン」という細長いコッペパン(ご当地パン)、「ウス茶糖」にしました。

 実は、先輩は昨年から沼津に移住され、同じく地方都市に暮らす身として、またお話してみたいと思っていたところでした。近況含め、興味深いお話をたくさん聞かせていただくことができました。2日間ありがとうございました。