3日間で近鉄電車に全部のる
(1日目・奈良)

この前の週末に、3日間かけて、日本一巨大な私鉄「近鉄」(近畿日本鉄道)に全線乗りつつ、沿線をちょこちょこ観光してきたときの話を書こうと思います(全4回/1回目)。

    

近鉄について

鉄道ファンの方はこの項目を読み飛ばしていただいて構いません(笑)。

冒頭で書いた通り、近鉄は日本で一番大きい(路線延長が長い)私鉄です。西は難波、東は名古屋まで、大阪・京都・奈良・三重・愛知の2府3県にまたがる路線網は約500kmに及ぶ(東京〜京都の道のりに匹敵)。 沿線の都市間を結ぶ長距離特急列車がたくさん走っている一方で、末端の田舎の区間はローカル線のような趣を持っている。 10年ほど前まではさらに100kmほど多くローカル線を持っていたのだけれど、不採算路線の経営分離を行って、今の路線網に落ち着いたところ。 今回はこの近鉄を、3日間かけて、割とのんびりしたペースで500km全線乗っていきたいと思う。 (なんでそんなことするのか、と言われても、「乗り鉄だから」としか言いようがないので、その辺については考えないでください笑。) 近鉄の路線図(リンク)を傍に置いて読むと、 より楽しめる(?)かもしれません。

0日目(下準備)

1日目は朝6時に京都駅を発車する電車でスタートするので、前日の深夜に京都近辺(大津市内)のネットカフェまで来ておいて仮眠。

京都から吉野へ

5時前に起きて、予定通り旅のスタート地点へ。

6時ちょうど発、橿原神宮前行き急行電車に乗って近鉄京都線を南へ向かう。乗り込む前に、改札内のキオスクで、飲み物とおにぎりと紙の「近鉄時刻表」を入手。 寝不足だったので車内でウトウトしていた。

橿原神宮前で吉野行きに乗り換えて8時過ぎに終点へ到着。途中、古墳群などで有名な明日香村も通ったけれど、今回は時間がないのでスルー。

吉野は山桜が見頃の時期。この日は平日(金曜)だったけれど、それなりの数の行楽客が山の方へと向かって行った。 きょうの僕は「花より電車」なのですぐ折り返します…

吉野駅の電車の発車案内は、電光掲示板の1世代前の、「ソラリー」と言われる、札がパタパタと反転するタイプのものだった。 首都圏では昨年(2022年)、最後の1台(京急川崎駅)が姿を消して話題になったのだけれど、近鉄の駅ではここの他でも無数に見かけた。 古いものを大事に使っているのか、設備更新の余裕がないのか…という感じ。

橿原神宮前まで戻り、南大阪線を尺土駅まで往復。そのあと橿原線を少し北に戻り、田原本駅から田原本線、王寺から生駒線と乗り換えて、11時半ごろ生駒駅に到着。 朝から天気はイマイチだったけれど、途中からとうとう雨が本降りに。


生駒・信貴山のケーブルカーにのる

生駒駅の隣の「鳥居前駅」から、生駒山上へと向かうケーブルカーに乗る。 近鉄はふたつのケーブルカー路線も運営している。 今日どちらも乗って片付けます。

 

乗車の前に少し寄り道。多分珍しいと思われる「ケーブルカーの踏切」を渡ってみた。 ケーブルでコケないように、という旨の注意書きはここならではのもの。

かなり派手なケーブルカーで20分あまり、山上まで登ってきた。ちなみに、日本国内のケーブルカー路線では、ここ(生駒山)が一番長い歴史を誇る。

駅の目の前は遊園地。このケーブルカーの役目は山の上にある遊園地へのアクセス手段を担うことなのだけれど、目論見通り、天気の悪い平日なのでお客さんはおらず。 ケーブルカーはほぼ貸切状態だった。

下りの発車まで30分ほど、生駒駅の近鉄百貨店で買っておいた551蓬莱の豚まんを齧りつつ時間を潰す。

山を降りたら13時半。生駒駅で奈良の鹿のラッピング電車を目撃。生駒山をトンネルで潜り抜け、もうひとつのケーブルカーに乗りに行く。

奈良線の急行電車で布施駅へ、大阪線の各駅停車で河内山本駅へ、信貴線で信貴山口駅へ。ここで信貴山ケーブルに乗り換える。

雨は相変わらずの本降りで、今度の乗客は本当に僕ひとり。

信貴山ケーブルは、山上のお寺(信貴山朝護孫子寺)へのアクセスを目的に敷かれた路線なのだけれど、ケーブルカーの山上駅(高安山駅)から寺までは さらにバスを乗り継がないと行けないので、そのまま引き返す。ケーブルカーは40分おきで、ここでも時間を持て余す。パッとみたところ駅の周りにめぼしいものはなさそうだし、 何より雨がひどい。自分とケーブルカーの運転員さん以外に誰もいないようだったので、駅のベンチで缶ビールを開けて一息つかせてもらった。

山を降りて、大阪市内へ。近鉄とJRが接続する鶴橋駅に15時半ごろ到着。今日の近鉄乗り潰しはここまで。 大阪環状線で新今宮に行って、定宿にチェックイン。



【Bonus 虎ck】
2023甲子園球場開幕戦

この日は今シーズン最初の阪神タイガースのホームゲームが18時から予定されていて、チケットを買っていた。 こんな雨ひどいしやれんやろなと思っていたけれど、いつまでたっても中止のアナウンスが入らないので、 電車賃ムダになったらイヤやなぁと思いながらも西九条から阪神電車に揺られて甲子園に行きました。 ちなみに僕はビジター(ヤクルト)のほうのファンです。

本降りの雨なのに、当たり前のように18時から試合が始まった。

山田哲人選手の逆転ホームランが効いて勝てた。雨による中断を少し挟んだけれど、 試合が終わる21時ごろには雨雲は消えて月が見えた。阪神電車の各駅停車で大阪方面に戻る。

新今宮のホテルの部屋で、ローソンで買ったネギ焼きをアテに缶チューハイ飲んで寝た。


「2日目」につづく

2023.04.30