2023年

2023年1月

2023年最初の更新になります。今年もよろしくお願いします。 みなさん年末年始はいかがお過ごしになりましたか。 私は3年ぶり(2020年以来)に実家で年を越すつもりでいましたが、結局帰省することができませんでした(後述)。 そのへんの話をメインに、最近の出来事を書いていきたいと思います。

【近況 新型コロナに感染した話】

見出しの通り、とうとう罹ってしまいました。 周りには他に罹った人はおらず、どこで貰ったのか全く心当たりがないのですが、それくらい流行しているということなのでしょう。 逆に私から感染させてしまった人は(把握している限り)いなさそうなので、それは唯一の良かったことです(会社勤めの身として最も重要なポイント)。 あとは災難でした。本当に罹らないに越したことはないです。 仕事納め(12月28日)の翌日の早朝、目が覚めるとやや喉が痛くて、微熱(37.5度前後)がありました(喉の違和感は前日の晩からなんとなくあった)。 その時点ですぐに会社と実家に連絡を入れておいて(いきなり「コロナでした!」は驚かせてしまうので)、 近所の病院で抗原検査をしてもらう段取りをつけました(症状がある状態で無料検査所を使うことはできない)。 症状は喉からくるという話を耳にしていたので、検査前からある程度覚悟を決め、 ホテル療養のための荷造り(実家にはもちろん帰れないし、共用設備が多い社員寮からも出なければならない)をしておいて、 検査を受けたら陽性判定。下調べしていたとおりに県庁に問い合わせて、その日の夕方から7日間療養ホテルに入れてもらえることになりました。 熱や怠さがほとんど無かったのでサクサク手続きができましたが、そうでなかったらここまでやるのは非常にきつかっただろうと思います。

症状について。喉は3日間くらいそれなりに痛かったのですが、熱は半日程度で平熱に戻りました(ホテルに入った時点で下がっていた)。頭痛や倦怠感・関節の痛み等は最後まで一切ありませんでした。 危惧していた味覚障害も全く起こらず、回復後もおいしくご飯を食べられています。 実は12月上旬に5回目のワクチンを打っていたので、そのおかげで比較的症状が抑えられたのだ…と思わなきゃしょうがない(そもそも罹りたくなかったので)。 一方で、普段できたこともないような場所(上の前歯の歯茎)に口内炎ができたり、ほとんど回復していた5日目に突然あちこちに蕁麻疹が出たりと、不気味な症状もありました。 病院から処方された謎の漢方薬(小柴胡湯加桔梗石膏)を5日ほど飲みましたが、 他の風邪やインフルエンザと比べ、薬が効いている実感は乏しいものでした。 今さらあれこれ言っても仕方ないのですが、新型コロナの感染症法上の分類の2類から5類への引き下げについては、 個人的には、少なくとも病院で、理想を言えば薬局で特効薬が簡単に入手できるくらいになってから検討すべき話だったのでは…と思っています。 後遺症は、喉に痰が絡んでいるような感覚が現在(1月末)も消えず、声が枯れやすくなりました。 それ以外はどこも問題ないのですが、もともと喉が弱い体質なこともあってか結構なダメージを受けた様子です。 少しずつ改善している感じではあるので、気長に不調と付き合っていくつもりです。

ホテル療養のおかげで年末年始は非常に健康的(お酒は一滴も飲めなかった)で規則正しい生活ができた上に、お金を1円も使わずにすみました。 ただ、毎日3回廊下に弁当(回復期の療養者を考慮してか、わりと量が多く、味付けも濃い)を取りに行くとき以外はホテルの居室の扉を開けることはできない環境で、 日が経つにつれて窮屈さが堪えるようになってきました。 洗濯は粉末洗剤を使って居室のバスタブでやりました。部屋にテレビがあったので、ベッドの上で胡座をかきつつ試しに眺めてみたものの、ひとりで黙って見る賑やかな特番は微塵も面白く感じられず、 新年のおめでたい雰囲気から隔絶された場所にいることを否が応でも自覚させられて精神衛生上よろしくないと思われたので、結局ほとんど見ることはありませんでした (大晦日の夕方にBSでやっていた映画「ひまわり」は観ました。良かったです。紅白歌合戦をスルーして21時に寝て、1月1日の朝からフツーの弁当を食べました)。 のんびり本読んだりアニメ観たり、祖母からの、要約すれば「今年も帰ってこれないのか」という内容の恨み節電話を処理したりしているうちに時間が経ち、 無事ホテルを出所したのは1月5日、会社の仕事が始まったあとでした。

【最近の注目コンテンツ(アニメ)】

放送終了からやや時間が経ってしまいましたが、観ていた秋アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」「アキバ冥途戦争」(2作品視聴したのは久しぶり)と、 劇場版アニメ「すずめの戸締まり」の感想などを書きます。 ネタバレを避けたい方は読み飛ばしてください。

「ぼっち・ざ・ろっく!」(略「ぼざろ」)は、ひとりぼっちでギターが上手い女子高生が、誘われたバンドで仲間を作る話(超要約)です。 キャッチコピーは「陰キャならロックをやれ!」。周囲のオタク友達の間で評判が良かったので観ました。主人公(あだ名は「ぼっちちゃん」)はいわゆる「コミュ障」で「ひとりぼっち」なのですが、 そのあたりはかなりユーモラスにデフォルメされているので、他人事のように「ぼっちちゃん頑張れー!!」みたいなスタンスで保護者面して観ることができました (リアルぼっち描写をしてしまうと、私含め世の中の孤独を抱えるオタクたちが耐えられなくなってしまう←ヘイトスピーチ)。 1話から早速バンドで音合わせをするシーンがあります。ぼっちちゃんはそれまで部屋に引き篭もって練習ばかりやっていたおかげで超絶ギターテクの持ち主なのですが、 「バンドで大活躍してリア充へ一発大逆転」みたいな安易な展開ではなく、「周りのベースやドラムと全然合わせられない」事態になっていて、直感的に「ひとりぼっちの本性をよく分かってるな…」と好感が持てたので最終話まで観ました。 ガールズバンドを題材にしたアニメといえば、10年くらい前(もっと前か?)に大ヒットした「けいおん!」を思い浮かべる人も多いと思います。 両者を比較してみると、「放課後ティータイム」(けいおん!で登場人物たちが組んでいるバンドの名前)が学校内の部活動(軽音楽部)の「閉じられた」「いつものメンツ」で話が進んでいく (悪い意味で書いているつもりはなくて、そのおかげで非常に安定感がある話運びができる。いわゆる「日常系」の作品では、校内で完結する人間関係をベースにするのが鉄板な気がする)のに対して、 「結束バンド」は学校の外がメインで、バンド活動を通してぼっちちゃんの交友関係がダイナミックに広がっていく開放感が魅力的で、rock 'n' rollだと思いました(内田裕也)。 その意味ではアドベンチャー的な要素も多分に含んでいると言えそうです。「学校の中に居場所がない」という課題に対して、「どうにかして校内に居場所を作ろうとする」アプローチはしばしば目にしますが、 この作品では徹底して「学校の外」に拘っていて、だから、「学校」というフィルターがかからないぶん、ぼっちちゃんの書く歌詞はダイレクトに届くし、 学校を居心地良く感じられたことがなかったようなオタクたちに特に刺さったのだと思います(←ヘイトスピーチやめよう)。 さて、こういうアニメを見たあとに何かしらのアクションを起こすオタクは3パターンに分けられると考えます。すなわち、①:円盤とかキャラクターグッズを買い漁る、②ギターやその他の楽器に手を出す、③:①と②の両方、という認識です。 私は「けいおん!」を見終わったあとギターを買ってしまい (YAMAHAの3万円くらいのやつ。 終盤でぼっちちゃんが買ったやつより多分1ランク下のやつ)、Fコードが押さえられず投げ出して埃を被らせていたところを、 いまは妹が奪っていってチャレンジしているらしいです。フツーにピアノより難しいと思うのだけど…。あとは、キャラソンを聴くのも良いのだけれど、 アニメの各話のタイトルの元ネタになっているアジカンの楽曲も何気に名曲揃いです。僕の1番のお気に入りは「八景」(アニメを観るまで知らなかった)。

「アキバ冥途戦争」は、任侠モノのヤクザをそっくりそのままメイド喫茶のメイドに置き換えて秋葉原で抗争させる話です。 キャッチコピーは「萌えと暴力について」。 僕の地元のアニメ会社(P.A.WORKS)が制作している作品なので観ました。お家芸の「働く女の子シリーズ」に含まれるらしいのですが、 沖縄の水族館で百合を咲かせた前作と比べると、富士山の頂上と日本海溝の底くらいの落差があります。 間違いなく観る人を選ぶ作品ですが、血の気の多さにさえ慣れれば(おそらく1話が一番グロテスク)、 話の展開が速い割にはよく作り込まれている、僕が一番好きなタイプの作品でした。ブラックコメディの趣も強く、酒を飲みつつヘラヘラ笑いながら見るのに丁度よかったです。 登場人物がドンドン死んでいく(殺される)のにも慣れて、中盤ぐらいから、「今回は誰がどんな風に殺されるのかな?」とワクワクしながら見ていました。推しは広島弁キャラの愛美さんです。 このご時世に全く臆することなく(密航してきたと思われる)ロシア語キャラを大活躍させていたのも、攻めの姿勢が見えて(確信犯か?)非常に評価できます。 最終話のラストがわりと唐突だった感は否めないのですが、丁寧で平和的な終わり方をされてもなんだか違う気がするので、あれで良かったと思います。 「誰が誰を殺したか」という事実とキャラの相関関係を照らし合わせると、しみじみとキャラの業の深さを味わえて良い…(ベタ褒め) まあ、あまり誰彼構わず積極的に薦めるような作品ではないのですが、お薦めします(どっちだ…)。

「すずめの戸締まり」は、落ち着いて映画館でひとりで観るために公開直後を避けていたので、つい先日ようやく観ることができました。 「君の名は。」以降の3作品の中では、最もメリハリが効いていたと思います。場所を移動させることで起承転結をハッキリさせ(「宮崎」→「愛媛・神戸」→「東京」→「東北」という流れ)つつ、 それぞれの場所に新海監督作品特有の「ビジュアルの暴力」を炸裂させた見せ場が用意されているおかげで、飽きることなく最後まで観られました。 ただ、面白かった、というのは前提なのですが、期待は裏切らなかったけれど、期待を超えてはこなかったかな…というのが率直なところです。 10年ほど前に、まだそこまでメジャーではなかった頃の新海監督が、初めての長編アニメ映画として手がけた「星を追う子ども」という作品 (興行的には赤字だったらしい)があるのですが、 「すずめ」は明らかにこの作品のリメイク(リベンジ)に思われました。死後の世界という主題、星空の輝く異世界、「閉じ師」っぽい長髪キャラなど共通点が多く、 そこに「君の名は。」以降よく描かれる「災害」と「日本の風景」を組み込むと今作になる、という印象です。 古参とまでは言えないけれど、比較的昔(「君の名は。」以前)からの新海誠ファンを自称する者(←厄介そう…)としては、正直、「すずめ」は目新しさには欠けました。 それから、もしかしたら小説で補完してから観るべきものだったのかもしれませんが(読んでない)、映画の導入部分がちょっと粗かった、というか、 物語の構成上ネタバレにならない範囲でやるのは難しいのかもしれないけど、冒頭で鈴芽&環の関係についてもう少ししっかり描写してから話を進めた方がスッキリ観られたと思います。 率直に言うと、観終わったあと、冒頭の一目惚れに、あれだけ強固な鈴芽&環の絆を破壊するほどのインパクトがあったことにされていることが腑に落ちませんでした (実は、別に最初の時点ではあの2人に恋愛関係が無かったとしても話を始められたのでは…と思っている)。 それに、鈴芽&環の関係が良いのか悪いのかあやふやなままの逃避行(?)を眺めながら 鈴芽ちゃんのようなタイプは「どうせ言ったところで環さんには分かってもらえない」と思わずに、まずは説明しようと試みるのではないか、なぜそうしないのだろう、と、そこだけは首を傾げながら観ていました。 あんまり細かいところを突つくのは自分の性格に合わないのでこれぐらいにして、繰り返しますが、全体としてみれば見応えのある作品でした。 ただ、「君の名は。」からの3作品を概観すると、作風が固定化しつつあるきらいがあるのでは…と思わざるを得ません。 (「君の名は。」以降における)「新海誠っぽい」ものが観られれば満足する人にとっては喜ばしいことなのかもしれないけれど、 常に新しいものを観たいオタクとしては(いわば、「まだ会ったことのない作品を、探している」)ちょっと不安です。 たぶん数年後に公開されるであろう新海監督の次作がまた似たようなテイストだったときは、映画館で観ようとはしないかもしれません(配信とか、何かしらの手段で観るとは思いますが)。 過去の新海誠作品について少しだけ語らせてもらうと、個人的には「ほしのこえ」あたりのトガりまくったやつが好きなのですが、ほぼ自主制作のために色々と粗くて、受け付けない人もいると思います。 マイナーだった時代の「鬱屈したポエムのような新海誠らしさ」と作画のクオリティが最もハイレベルに両立しているのは、 やっぱり「言の葉の庭」(「君の名は。」の1作前に作られた中編)でしょうか。 これだけメジャーになってしまった今、絶対「大衆ウケ」しないようなこういう作品にまた手を出すことはないのだろうな…と思う(手を出してくれたら僕は大喜びで観ますが)ので、 次作では新海監督の「新境地」を観たいというのが本音です。期待して待ちたいと思います。

冬アニメは何も見てません。秋アニメのガンダムシリーズの新作(水星の魔女)が面白かったらしいので、春に続編始まるまでに追いついておこうかな…というところ。

【おわりに】

1月下旬から俄かに気温が下がり、僕の住む地域ではまとまった雪が積もりました。寒い日が続きますので、みなさんお体に気をつけてお過ごしください。 連日の除雪作業等で疲労が溜まっている一方、週末に念願の「雪を巻き上げて走る特急列車」を撮影できたので大満足しています。 3月に入るくらいまでは基本的に毎日天気が悪いので、家でのんびり読書したり資格の勉強をしたりして過ごせたらと思っていました…が、 あたふたしているうちに2月の簿記2級の申込み締切をオーバーしてしまいました。年度明けに延期かな…というところです。 宅建の登録実務講習は無事に終わり、県に宅建士証の交付申請をしようとしていますが、必要書類の収集がとんでもなく煩雑でやや引いてます。行政書士はしっかり不合格でした。 次回の更新は2月末くらいで考えています。それではみなさんお元気で。

2023年2月5日